メジャーリーガーと投資

今回は、メジャーリーガーと投資について述べたいと思います。メジャーで数年活躍すると、単年でもかなりの額の年俸を受け取ることになるメジャーリーガー。日常の経費を引いたとしても、かなりの額が銀行口座に残ることになります。ではそのお金はどうなるかと言いますと、あるプレーヤーは、ただ貯金にまわり、あるプレーヤーは、“なにわ”の芸人ではありませんが、パーッと使ってしまえとばかりに、豪華な家やフェラーリーなどの高級車に消えていきます。しかし、大半のプレーヤーが将来のことを考えて、株式などに投資を行っています。

アメリカの殆どの人々がそうする様に、メジャーリーガーも、ファイナンシャル・アドバイザーを通して株式などに投資を行っています。ただ、そこで問題になるのは、そういったファイナンシャル・アドバイザーは、それらのクライアントからの手数料で生計を立てているため、どうしても株式や、債券などのペーパーアセットの頼るようになってしまいます。過去には、それでも株式市場の繁栄の時代もありましたのでうまくいく時期もありましたが、ITバブル崩壊や、リーマンショックの金融危機などの株式市場下落が起こると、彼らに頼っているだけではうまく行かなくなります。

選手の中には、私も含めて、不動産投資を行っている人もいます。聞いた話ですが、A・ロッドなどは数百ものアパートのユニットを所有しているとのことです。数百のユニットと言えば、野球の給料なしに、それだけでも暮らしていくお金が入ってくるか、それ以上になるものと思われます。

私は、そんなにアグレッシブにはなれません。貯金で十分だと言う選手もいます。しかし、その様な選手で問題なのは、今の新型コロナウィルスに起因する世界的なパンデミックのように、これから先、どんなことが起こるか分からないということです。安全と思われている銀行にしても、いつ破綻するか分かりません。でしたら、タンス預金ではありませんが、現金で持っていれば安心? いやいや、日本もアメリカも国がこれだけ借金を抱えているのですから、いつスーパーインフレを起こして、この借金を帳消しにしてもおかしくない状態です。つまり、貯金した1000万円が、10年後には1万円の価値しかなかったという可能性もあり得ます。

それでは、金や銀などを買って持っていれば、インフレを心配しなくても良い? これも、金が今、歴史上でどれだけ高水準で取引されているかを考えれば、一言で安全ですと言いにくい状況です。

では、どうすれば良いのか? 答えは、自分で勉強して、自分で考えて投資していかなければならないと言うことです。メジャーリーガーになった選手も、現在、会社で偉くなった人も、プロと呼ばれる職人さんも、1年や2年でその地位を得たわけではありません。毎日の積み重ねが今を作り上げたわけです。投資にしても同じこと。毎日少しずつ勉強していく。ある程度まで勉強したら、次は少しでもいいから自分で投資を行ってみます。株式でも、債券でも、不動産でも、金でも、銀 でも。大事なことは、勉強して、実行して、成功しても失敗しても、反省して次に生かす。そして、また勉強して、実行する。こうやってプロの個人投資家として、あるいはプロに近い投資家になることが、唯一の方法です。

これからの時代、中間層、平均的な人間がいなくなり、格差が激しくなる格差社会になると言われています。その様な社会になっていくことを嘆いてばかりいるより、その格差社会の上位の人間になってやろうと考えましょう。その第1歩として、投資の本を手に取ってみてください。

(本コラムは、過去に執筆した内容に加筆・修正しています)

長谷川滋利

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