投資は危険?

投資を行わない人になぜかと聞いてみると、「投資は危険だから」と言う。では、稼いだお金はどうすればいいのでしょうか? 銀行に預ける? それも一つの方法でしょう。私ももちろん銀行にお金を預けています。しかし、私は銀行にお金を預けておくことが安全だとは思っていません。銀行に預ければ普通の経済の状態ならば、数%の金利がつく。しかし、この10年間、日米の金利が経済成長を上回ったことはない。それはどういうことかというと、銀行にお金を預けていたら、何年かすると、自分の預金したお金が経済成長によって実質、今よりも価値を失ってしまうことになる。極端な話をすると、100円で買えていたポテトチップスが、経済成長(5%)に合わせて、105円になったのに、銀行(金利3%)に預けていた100円は、103円にしかなっていないでしょう。今買えるポテトチップスが、銀行に預けていたばかりに数年後には買えなくなってしまう。しかもコロナ禍の今は、0金利政策上の真っ只中。金利がつかないばかりか、手数料を取られたりもする。つまり銀行に預けていたら明らかにマイナスになってしまう。しかも、富裕層の方々に言えるのは、銀行が破綻した場合の補償金額は、1金融機関につき、1人あたり1千万円しかありません。

私は株式投資をしていますからよく知っていますが、優良な金融機関でも、金融機関以外の優良企業と比べると、長期負債がとんでもなく多くなっています。それは、私たちが銀行に1ドル(アメリカでの例)預けたならば、預金準備率によってその銀行は最低でも10ドルの貸付をすることが法律によって許されている。単純に言えば、持ち金の10倍、あるいはそれ以上の借金を許されるわけですから、どうしても負債が多くなる訳です。これは日米でそれほど違いがないと思います。それでその資金を貸付、運用するのが銀行の業務ですから、経済の停滞・下降などが起これば、長期負債が多い分、破綻する確率は長期負債が少ない企業よりもはるかに高くなるのです。私は、銀行に預けるならば、毎年右肩上がりで利益を上げている優良企業の株を買う方が安全だと考えています。毎年、前年度よりも5%から10%を上回る利益を上げ、しかも長期負債が1年間の利益よりも少ない企業は、破綻する確率はどんな銀行よりも低いでしょう。こう考えると預金よりも、株式投資の方が安全であるということが分かっていただけると思います。

投資が危険というよりも、お金に関して、自分が何をしているか分かっていない事が一番危険です。株式投資に限らず、原理原則を知り、きちんと努力(リサーチ)をして自分のやっていることを理解しながら投資するならば、投資は決して危険ではないでしょう。そうしないで、安全だと思える銀行に預けたり、有名なファイナシャルアドバイザーに預けたりすることこそ危険な行為だと私は思います。