「御社の存在意義は何ですか?」

11月29日(月曜日)の日経新聞の1面目のトップ記事は「御社の存在意義は何ですか」でした。パーパス再定義、つまり我が社は何のために世にあるのか? 今この問いかけに世界の多くの会社が直面しているという。

私は常々、オンラインサロンでこのことを問いかけています。「あなたはなぜ野球をするのですか?」「あなたはなぜゴルフをするのですか?」あるいは「あなたにとって営業とは何ですか?」

このような問いかけをプロの人にしても、答えられない場合は多い。しかし、この答えを見つけることによって、これまで後一歩で勝てなかったというゴルファーや、チャンスに弱いというバッターが勝利を収めるというケースは多い。

答えは人によってそれぞれだが、私なら「どうして野球をやるのですか?」という質問に対して、「バッターとの対戦を楽しむため」と現役中なら答えていたでしょう。そう考えると、M L Bでブルペン投手としての仕事も気分良くやることができました。日本プロ野球ではずっと先発投手で、海を渡ってからブルペンに回されて不満に思っていたものです。しかし、野球をやる意味を見つけることによって、ブルペンの仕事にもやり甲斐を感じるようになりました。そうやってM L Bで500試合以上の登板機会を得ることができました。

もう1つ付け加えれば、「あなたはなぜアメリカで野球をやりたいのですか?」という質問に対して、1996年のオリックスを退団した時に言った言葉は、「日本人投手が、アメリカメジャーでも十分通用することを証明したい」でした。まあ、たくさんの日本人選手がM L Bで投げるようになって、この事が達成できたと感じてしまったために、2005年に周りからは早い引退と言われながら引退してしまったのですが。

会社でも同じことでしょう。これは現代だからされる質問ではなく、会社の存続意義のために常に問いかけるべき質問であるべきでしょう。今の時代、昔、未来、関係なく、存在意義を考えることは大事なことです。記事にある通り、個人も会社で「自分は何のために働いいているのか?」という質問をするべきでしょう。その答えは、「お金のため」「生活のため」というものだけでなく、自分の本当の存在意義を感じるものでなければなりません。「同僚との人間関係を楽しむため」「喜ぶ顧客の顔を見るため」「より良い社会形成のため」など、それによって毎日がウキウキするものがいいでしょう。

私が大好きな偉大な投資家ウォーレン・バフェットは、スキップをして通勤するぐらい楽しんでオフィスに向かう。それぐらい投資業が大好きだ。最初はフリをするだけでもいい。それほど楽しいと思えない仕事も、私のブルペンの仕事と同じように、正しい問いかけに対して、正しい答えを導き出すことによって、楽しく意義のある仕事に代えることができるのです。