「1株あたりの利益(EPS)」

私が株式投資をするにあたってまず見るのは、その株の1株あたりの利益が毎年増加していっているかどうかです。10年から15年の間にEPSがずっと上昇していれば、その企業は消費者独占型の企業である可能性が高い。そうでなければ、なかなかそうはならないからであります。以下のような企業が理想ですね。

2010年 1.00ドル(EPS)

2011年 1.10

2012年 1.21

2013年 1.34

2014年 1.45

2015年 1.58

2016年 1.80

2017年 2.00

2018年 2.10

2019年 2.35

2020年 2.51

2021年 2.68

このように毎年10%ずつぐらい、あるいはそれ以上EPSが上昇していっている会社を探します。このような情報は、企業の年次報告書に載っています。最近の年次報告書には、1株あたりの利益がきちんと載っていますが、もし載っていなくても、企業の総利益を株数で割れば、1株あたりの利益が出ます。バフェットも愛用しているValuelineというリサーチ会社の定期購読を買えば、EPSは15年間の表で見ることができます。

このような企業が、何らかの要因で株価を下げた時が買いのチャンスです。それはリーマンショックの時のように市場全体が下がった時かもしれないですし、その企業の何らかのスキャンダルが出た時かもしれません。株価は下がるかもしれませんが、それが収益にまで影響を及ぼさない場合は、その年の企業の利益やEPSには影響しませんので、そのうち株価は標準の価格に戻るでしょう。通常、消費者独占型企業は、少々の事では、その企業の母体は揺るぎませんから、一時的に株価は下げても、あるいはEPSが一時期下がったとしても、両方共にすぐに持ち直すでしょう。その時に、これは単にその企業の一時的な問題なのか、それとも将来の下降トレンドを示す兆しなのかを見極めないといけません。もしその問題を企業が解決できるのあれば、それは買いのチャンスになります。

一方でいくら優良企業とアナリストが言っていても、EPSが上がったり下がったり、あるいは赤字を出しているような企業の株は、私は投資の対象とはしません。いくら株価を下げていても、周りが買いのチャンスだと騒いでいても、EPSが毎年右肩上がりで上昇していなければ、それはコモディティー型の企業の場合が多いので、私は投資しません。このように自分自身で絶対的な法則を持って入れば、周りのアドバイスや騒ぎに惑わされることはありません。