大企業に勤める場合は、ただ会社のために使った経費をそのまま会社に請求する。しかし、起業家(個人事業主も含む)になるためには、良い経費と悪い経費の違いを知らないといけない。
私のところにも、「起業したい」「自分でレストランを開きたい」「この製品を売りたい」と言って投資を募りにくる人がいた。その人たちの財務諸表計画書を見ると、自分の給料のところ、従業員のところにかなりの金額を取っていることが多い。生きていくためには仕方ないと思っているのでしょうが、そういう人たちに投資するプロの投資家はいない。これから起業しようという人が、まず自分への見返りを期待しているなら、そのビジネスはまず成功しない。
それよりも、ビジネスのアイデア、商品に対して知的財産権を守るために弁護士を雇う費用、ビジネスの事を分かっている会計士に経費を使うことの方が大事だ。良いアイデアが浮かんだら、まず弁護士に「製品、サービスについて他言しない」というウェーバー(書類)を作成してもらうことの方が大事だ。新しいアイデアが浮かんだらまずは、弁護士、税理士に相談するのがいい。例えそれに多少の費用がかかっても。
支出には良い支出と悪い支出がある。最終的に自分のポケットにお金を入れてくれるための支出は良い支出。自分のポケットからお金が出ていく支出は悪い支出。投資の例で言えば、自分の持ち家(自宅)はポケットからお金が出ていく資産。もしそれが収益物件(アパートメント)であれば良い資産になる。ビジネス構築のための上記のような弁護士費用や税理士費用であれば、やり方によって良い支出になる。一方で車や、高級品、無駄に高い移動費などは、ほぼ悪い支出になる。
詳しく述べると、タクシーで移動するのは無駄かどうか? もしタクシーの中での過ごし方をビジネスのための電話などに使うのであれば、電車で何もしないで移動するよりも時間を有効に使える。ある程度余裕のある生活を送る人にとっては、タクシーを使うことは時間を有効に使う良い支出となる。運転手を雇うことも同じこと。
不労所得で生活するために金持ちになろうと思うなら、自分を金持ちにするような支出をする。今のままでいたいなら、何も考えずただ欲しいものを買う、つまり悪い支出を続ける。また、たいていの人が起業家や金持ちになれないのは、賢くお金を使うのではなく、お金をひたすら使わない、節約しようとすることも原因なのでしょう。